京都丹波の自然に守られ、純粋な葡萄を育む
テロワール(terroir)という単語をワイン業界でしばしば使われます。この言葉はフランス語特有の単語のようで、たとえば英語にはこの『terroir』の意味をそのまま表わす単語はありません。日本語にも、どうもフランス人の言う『terroir』とぴったりと一致する概念の単語は見当たらないようです。
あえてこの言葉を日本語に訳すと、しばしば引用される答えは、『土地(土、土壌、大地)の要素』、『気候の要素』、『人的要素』を総合したぶどう作り・ワイン造りの環境をいう、というものです。つまり、人の営みによって生み出されるワインは、長い時間かけて育まれたテロワールを反映した結果だと言えるでしょう。そこには食材や食文化が密接に結びつき、できあがってくるワインもそれにマッチングするものであるべきです。
丹波ワインは京料理に代表される食の宝庫丹波の食材と和食に合うワインを作り続けることが、食文化の一部としての地ワインであると考えています。
18000坪の広大な農園
21000坪という広大な敷地を持つ丹波ワイン。その中でも葡萄畑が占めるのは、葡萄栽培のために厳選された85%の土地。4つのエリアに別れています。国道9号線から側道に入り小川を渡って、桜並木を抜け葡萄畑に辿り着くまで、その距離およそ1キロメートル。ワイナリーを取り巻く京丹波町の緑豊かな里山風景が、車の排気ガスや街での排水などから畑を隔絶し、純粋な葡萄を育んでいます。
黒ボク土、中粗粒褐色森林土
京丹波町一帯は古来より黒豆などの栽培が盛んなエリアで、黒ボク土が多く、栄養価に富み、透水性や保水性も大きいのが特徴です。葡萄畑は鳥居野、向上野、千原、平林の4ヶ所に分かれており向上野、平林は黒ボク土、鳥居野、千原は褐色森林土です。搾汁したあとの葡萄の皮や種を施肥し、すべてのエリアで草生栽培を行い、有機質の補給を行っています。自然な形で永続的な循環農法を心がけています。
寒暖の差が美味しいぶどうを育む
丹波霧と呼ばれるほど霧の発生する頻度の高い丹波高原。朝晩は濃霧に包まれますが、日中はスッキリと晴れます。生育期である夏場の最高気温は35℃程度まであがりますが、日が沈むと25℃までぐっと気温が下がります。猛暑日であっても熱帯夜は年間で1,2日しかなく、この昼夜の寒暖の差がぶどうの糖度を上げるのに非常に有効といわれています。